オールドノリタケの龍盛り上げ花瓶一対です。1911年頃~1921年頃にアメリカに輸出され、約100年の時を経て日本に里帰りしてきました。「VAN PATTEN’S
ABC’s of COLLECTING NIPPON PORCELAIN identification and values」(Joan Van
Patten/2005・COLLECTOR BOOKS)、「Collector's Encyclopedia of NIPPON PORCELAIN
Identification & Values Seventh Series」(Joan Van Patten/2002・COLLECTOR
BOOKS)に同作品が掲載されています。神話的な龍は、春に天国に、夏は雲に、秋に湖に行き、冬には地上で休んで暮らしていると言い伝えられています。その神秘的かつ東洋的な創造物を墨色のぼかし地に天空を舞う龍を盛り上げによって立体的かつ迫力ある雰囲気に仕上げています。目には、エナメル盛り装飾を用いて全体を引き締めています。盛り上げは、陶磁器を立体的に見せる技法でオールドノリタケの最も代表的な技法です。古くは宋時代の中国や17世紀のイギリスなどにもあったようですが、近代になって広く知られるところとなったのはオールドノリタケによるところが大きいと言われています。今や欧米でも「MORIAGE」という名で通じ程、高く評価されています。装飾方法はデコレーションケーキを飾る時に使用する生クリームを絞り出すような道具を用いて装飾を行います。職人の精緻な装飾技術で、現代では再現不可能な希少な装飾方法です。