コンセプト
当社は里帰り陶磁器を専門に取り扱う古美術商です。明治・大正時代の工芸品には現代では再現ができないような緻密な絵付けや装飾技法が施されていました。それが時代や社会動乱によって欧米諸国に輸出された為に日本の方には馴染みのないものになりました。そんな日本の宝とも言うべき工芸品を欧米諸国から買い付けて日本に逆輸入させています。この逆輸入品は「里帰り陶磁器」「里帰り品」と呼ばれております。当社では、そんな里帰り陶磁器の魅力を知って頂ければ幸いです。
輸出される背景
~海を渡った近代美術工芸~
江戸幕藩体制から明治維新政府への交代と、それに付随した社会動乱は、陶磁器製作にも大きな影響を及ぼしました。「御一新」によって、大名をはじめとする従来の需要者が消失しました。庇護を失った御用窯や御庭焼は廃絶を余儀なくされ、さらに特権的な同業組合の解散といった制度崩壊も起こり、陶磁器業界は大打撃を受けました。このような大変な動乱期に、新たな需要先として注目されたのが海外でした。1867年のパリ万博に佐賀藩が有田焼、薩摩藩が薩摩焼を出品すると陶磁器の人気が本格化しました。かくして、陶磁器を有望な輸出品と認識した明治政府もまた様々な政策を講じてその後押しをした事で、薩摩焼、九谷焼、有田焼、瀬戸焼、横浜焼、オールドノリタケ、コラレン等の名品が海外に輸出されていきました。
取扱ブランド