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コラレン花文花瓶

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千葉県我孫子市台田4-11-42 敬誠北柏ビル

コラレン花文花瓶

コラレンとは

コラレンとは英語で「珊瑚のような(coralene)」という意味です。これは器面に施された細かなガラスビーズが珊瑚に似ていることからきています。ブランド名やメーカー名等ではなく装飾技法の一種になります。コラレンは作陶に繊細で難度の高い装飾技術を要するため、現存する作品数が少ないことが特徴として挙げられます。オールドノリタケや名古屋製陶所、松風陶器等の近代輸出陶磁器の中でも他を凌駕する精緻な技術とデザインの美しさを持っています。当時コラレンを作陶した工場や商社等のうち現存するのはごくわずかであり、陶磁器に関連する資料の多くは名古屋大空襲により消失してしまい、正確な輸出時期や原産地等を特定できる資料は見つかっておりません。

商品説明

コラレンの花文花瓶です。明治時代に欧米諸国に輸出され、約100年の時を経て日本に里帰りしてきました。コラレンは現在の研究では産地やブランド名などが解明されておらず、謎多き幻の陶磁器です。そういった理由もあり日米で人気があります。

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商品概要

  • 名称  コラレン花文花瓶
  • 裏印  U.S.PATENT NBR.912171 FEB.9.1909 特許 専売特許 出願中 第38257号
  • 状態  剥離(ビーズ)がある程度で、カケ・ワレ・ヒビなどなく良好な状態
  • 寸法  H:12cm L:14cm W:14cm
  • 素材  陶磁器
  • 原産  日本
  • 仕入  アメリカ
  • 付属  作品証明書
  • 数量  現品のみ
  • 価格  お問合せ【 u7126 】

コラレンの製造と裏印について

磁器を絵具で塗りつぶしてデザインにあったガラスビーズを貼り付けた後に、金彩で囲んで仕上げるというものです。こうして出来上がったコラレンはガラスビーズの施された部分が、光の入る角度によって色が変化し浮き上がって見え、キラキラと輝きます。その優美なデザインが見るものを魅了し人気を博しました。現存する作品は花瓶や壷で、オールドノリタケにみられるようなカップやシュガー&クリーマー等の実用品はほとんど見られず装飾目的のものが中心です。その大きな理由はガラスビーズが脆弱であったと言われています。コラレンはその製造期間が短くて有名ですが、アール・ヌーヴォーからアール・デコへの流行が移り代わり、ラスター彩が多く生産されるようになった1920年頃には市場から姿をけしたと思われます。
コラレンの裏印には特許番号が付与されていますが、これは横浜や名古屋にあった米国商社・ヴァンタイン商会が1907年に日本の特許庁へ、1908年にアメリカ特許庁に特許をそれぞれ申請したものです。現在コラレンの裏印は7種類(ヴァンタイン商会、志水録之助、キンラン)確認されていますが、「USパテント912171」のものが完成度も高いと言われており、人気のコレクターズアイテムとなっています。
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コラレンの特許について

ヴァンタイン商会のコラレンがいつ頃から作られたかは定かではありません。日米両国での特許の出願日と認可日はほぼ同時期になっています。米国での特許は1908年に出願し、その後に数回の訂正があり翌年の1909年2月9日に特許が下りています。この出願はヴァンタイン商会の代表として、横浜市在住のアメリカ人「A・L・ロック」によってなされました。ただし、特許状の送付先はワシントンのマン特許事務所になります。これは特許手続きをヴァンタイン商会がここに依頼した為です。一方、日本での特許庁への出願は1907年になされています。(特許番号:第16137号・第57類)出願者は「エー・エー・ヴァンタイン・エンド・カムパニー 」となっていて、住所がニューヨーク・ブロードウェイ、横浜市山下町と記載があります。
< マン特許事務所について >
米国最古の特許事務所の1つです。1860年頃には米国の特許申請の3割を手掛けており、1924年までの同事務所の特許出願件数は20万件を越えています。ヴァンタイン商会のコラレン技術は当時全米一の規模を誇る特許事務所によって手続きがなされていました。
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ヴァンタイン商会とは

外国商社の1つで、1840年代に創業者のアシュレー・アブラハム・ヴァンタイン(Ashley Abraham Van Tine)がアメリカ・サンフランシスコで始めた会社です。中国や日本から工芸品などを輸入した商品をニューヨークで販売していました。トルコ絨毯も手掛けるようになり、その方面ではニューヨークで名の知れた業者となりました。日本におけるヴァンタイン商会のビジネスは、1892年頃に名古屋に出張所を設け、1894年頃には転写紙を、後にはラスターも輸入するなど積極的に新技法を取り入れながら、白壁町に生地の見本釜を作ったのが始まりになります。 その後、1908年頃には、名古屋市東区の東芳野町へと移転し、金盛りを中心とした作品を製造しました。特に注目されるのは、この会社がコラレンという磁胎にビーズを貼り付けた輸出磁器をアメリカ向けに輸出していた点です。ヴァンタイン商会の日米貿易は1920年頃まで続いていたようですが、創業者が没して1951年頃に終わりを迎えたようです。日本から撤退の理由はヴァンタインの死後、極東貿易の縮小と伝統的な日本の花鳥画に固執するあまり、米国の市場動向を把握することに遅れを取ってしまった事です。

参考資料



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